synca music ploject

インタビュー

Oddity

Oddity

取材・文/中西英雄 撮影/天田“しろくま”輔

中西英雄:
“世界で通用する”を標榜に新たな日本人クリエイターが始動する。その名はOddity。彼の音楽キャリアの大半はギタリストとしての活動で占められ、パンク、グラムロック、アシッド・ジャズなどを通過。同時に打ち込みの制作も開始した結果、徐々にダンス・ミュージックへと傾倒していく。都内を中心にDJ/プロデューサーとして、精力的に活動し、多くのクリエイターが応募したSYNCA MUSIC PROJECTに見事通過。そして、このたびデビュー12インチ“Kill You”をリリースする。

Oddity:
「当初はテクノらしいテクノ、ハウスらしいハウス、というのを目指していたんですけど、自分のフィルターを通した独自のダンス・ミュージックを作らないと意味がないって思って。じゃあ、何が自分にできるのかって考えたときに、ロックもあるんですけど、もっとポップに接近したサウンドが持ち味なのかなって。まずメロディ・ラインだけを聴いても楽曲として成立するかってことにも重きを置きました」

中西英雄:
表題曲の“Kill You”、同録の“Leave Me Alone”は、両曲とも女性ボーカルがフィーチャーされ、歪んだシンセ・リフと相まり、まるでグラムロックのような色香が漂ってくる。影響を受けたというデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、10ccなどの系譜を受け継いで、ダンス・ミュージックへ昇華した、とでも言おうか。見事に自身の敬愛するサウンドとエレクトロ・ミュージックを融合させている。昨今猛威を振るうニューレイブの発生と同じく、音楽遍歴が示す通り自然の流れで、このサウンド・タイプに行き着いた。さらにメロディを重視しつつも、Oddityはフロアで映えるという点でも妥協はしていない。

Oddity:
「たとえイヤホンで聴いても、クラブを感じられるサウンドを作りたかった。クラブという空間が持つ独特の雰囲気、“夜”だったり、“エネルギー”の手触りを得られるサウンド作りを目指しました」

中西英雄:
またリミックスは世界規模の音楽コンテスト、『DIESEL U MUSIC』のジャパン・ウィナー、Seitaro Wakasugi a.k.a. GLOBAL WAVEが担当。

Oddity:
「“東京発”“日本発”を意識しているので、A面B面ともに国産のクリエイターが手掛けた意義は大きいと思う。ダンス・ミュージックはもっともグローバルな音楽だから、自分の曲が世界中のフロアでかかるのを目標です」

中西英雄:
ネットワークが急速に進化し、世界中の音楽が容易に手に入る時代。そんな、いまだからこそ国産ダンス・ミュージック・シーンの新たな才能に目を向けるべきなのでは。国内から世界に通用するサウンドが次々に生まれてきているのだから。


■Biography
Oddity 都内を中心にエレクトロ〜ハウスのクリエイター/DJとして活動。またギタリストとしても楽曲提供やアレンジを行い、その音楽活動は幅広い。今夏にブランドの立ち上げも控え、アパレル・ブランド"Oddity"のプロデュースも行う。

■MySpace
http://myspace.com/odditytokyo

■Release Info
Oddity - Kill You / Leave Me Alone

ARTIST:Oddity
TITLE:“Kill You / Leave Me Alone”
LABEL:SYNCA MUSIC PROJECT
FORMAT:12 Inch Vinyl
PRICE:1575円
RELEASE:2008年6月11日

applebonker

applebonker

取材・文/中西英雄 撮影/天田“しろくま”輔

中西英雄:
SYNCA MUSIC PROJECTのもうひとつの通過者が、テクノ・ポップ・バンド、applebonkerだ。もともと同じ大学の仲良し4人組。メンバー全員が、それまでに個々で音楽活動をしていたものの、打ち込みやDJの経験のあるものは皆無。そんな彼らがBOOM BOOM SATELLITESのライブ映像を観て……。

Inoue:
「この映像がきっかけで、applebonkerが結成さたんです」

Kitamura:
「それまで僕は、打ち込み音は大嫌いだったんですけどね(笑)」

Tanaka:
「その後、みんなでお金を集めて、打ち込み機材を買いにいきました」

中西英雄:
キャッチーなメロディやポップ・フィールドを得意とするMiyachi、90'sヒップホップを愛するリーダー、Inoue。小椋佳をルーツに持ちエレクトロニカを愛するという守備範囲の広いTanaka、ビートルズに感銘を受けながら、ノイズ、メタルの激情を秘するKitamura。と、メンバー全員、音楽嗜好は気持ちが良いくらいバラバラ。この音楽性がひとつになるとき、ニュー・タイプのサウンドが生まれる。

Miyachi:
「制作はみんなで意見を出し合って、落とし所を見つけていく感じですね。雰囲気悪くなることなんてしょっちゅうですよ」

中西英雄:
デビュー曲となる"Hyper Love Hotel"にもその音色の多様性が詰まっている。幾重にも張り巡らされた旋律やビート、仕掛け、サンプル……。僭越ながらも"よりポップにアプローチしたザ・バトルス"と表現できるかもしれない。同曲の発案者であるMiyachiはこう語る。

Miyachi:
「コード感をすごく大事にして制作しましたね。聴いた瞬間に引き込めるような受けのいいものを」

中西英雄:
先述の緻密なサウンド・プロダクションを有しながら、手触りはさわやかで疾走感あるテクノ・ポップなのだ。またジャンルの多様性でいけば、同録の"World Wide Wave"が各々の音楽性が随所に見られ、より顕著。とは言え、雑多な印象は受けず、applebonkerというフィルターを通して、オリジナリティ溢れるサウンドに昇華している。

Inoue:
「本当になんで通過したのか、こっちが聴きたいくらいなんですよ」

中西英雄:
と一様に不思議がるメンバー。実験性の高い音楽であることには、間違いないのだが、"いいものは取り入れる"という一貫した姿勢(真似に終わらず、自分のものにする能力も含め)、既成概念に囚われないアイディア、全体的にみて、この結果は至極妥当なものだろう。没個性的なバンドが数多存在するなかで、彼らは異彩を放っている。異彩繋がりではないが、リミキサーにエレクトロの奇才、THE STEALTHが起用され、個性と個性の激しいせめぎ合いが楽しめる。


■Biography
applebonker 東京外国語大学の同級生であるMiyachi(Gt/Ba)、Inoue(Gt/Ba/Dr/Vo)、Tanaka(Turntable/Sampler)、Kitamura(Gt/Ba/Dr/Vo)により結成。メンバー全員がプログラミング、シンセの担当も兼ね、さまざまな音楽要素を取り入れたハイブリッド・テクノ・ポップ・バンド。

■MySpace
http://www.myspace.com/applbnkr

■Release Info
applebonker - Hyper Love Hotel / World Wide Wave

ARTIST:applebonker
TITLE:12 Inch Vinyl“Hyper Love Hotel / World Wide Wave”
LABEL:SYNCA MUSIC PROJECT
FORMAT:12 Inch Vinyl
PRICE:1575円
RELEASE:2008年6月11日